体毛は必要性があるから生えるのですが、美意識の高い人に限らず、ムダ毛の処理をしていない女性は、今の世の中、ほとんどいないのではないでしょうか。
しかし、あまり知識もなく自分で適当に処理をしている人も多いようです。
体毛についてのメカニズムを知って、自分に合った方法でより美しくなりましょう。
目次
毛の仕組みについて
体毛はすべてケラチンタンパクからできています
ケラチンタンパクとは、18種類のアミノ酸が結合したたんぱく質のことです。
髪の毛や爪などの硬ケラチンと皮膚の軟ケラチンに分けられますが、すべての毛はケラチンタンパクでできています。
毛には、体温を保つ作用や摩擦などから皮膚を守る働きがあります。
ワキや股などに毛が多く生えるのは、これらの部分が摩擦を受けやすいからです。
また、体毛が濃い原因は遺伝によるものや、男性ホルモンの分泌の影響を受ける場合もあります。
女性でも男性ホルモンが分泌されますが、喫煙や睡眠不足、生活習慣の乱れなどで過剰に男性ホルモンが分泌されると、毛が濃くなることがあります。
ホルモンバランスの崩れと多毛症
ストレスや睡眠不足、栄養不足、運動不足などからでもホルモンバランスが乱れ「多毛症」という疾患にかにかかってしまうことがあることも、知識の一つとして知っておきましょう。
「最近なんだか毛深くなってきた」と思えたら、安易に毛を剃ったり抜いたりせず、病院の血液検査などを受けて、原因がホルモン量の異常ではないかを調べることも必要です。
毛は成長期と退行期と休止期の3つの周期があります
毛根部分で作られた毛は毛穴から伸びて、一定期間が過ぎたら抜け落ちて生え代わるようにできています。
この周期には、成長期と退行期と休止期があります。
成長期には細胞分裂が盛んに起きて毎日伸びますが、退行期に入ると細胞分裂をしなくなり毛穴が収縮します。そして、休止期に入ると、毛は抜け落ちていきます。
毛は、このサイクルを繰り返しているので、いま目に見えている毛より、毛根の数は多いということになります。
全身の毛の生え代わりのメカニズムについて
髪の毛、わき毛、陰毛、手足の毛はそれぞれサイクルの長さが違うので、伸びる限界も違ってきます。
例えば、わき毛は、成長期が2~3ヵ月なので、2~3ヵ月分しか伸びないわけです。
もし、伸ばしっぱなしにしても、ある程度までしか伸びません。
髪の毛の場合は、成長期が2~3年あるので伸ばしっぱなしにすると、身長分ぐらい伸びるようです。
男性の場合は、女性より成長期が短いので、腰ぐらいで伸びは止まります。髪の毛の場合は、退行期が2~3週間、休止期は2~3ヵ月といわれています。
このサイクルは人によってや年齢によって違ってきますが、体毛のすべてが毛周期と言われるサイクルによって生まれ変わっています。
ムダ毛の処理について
本来、体毛は必要だから生えているもので、すべて伸ばしておくのが自然というものですが、見た目を大事にする日本人の文化としては、わき毛などは人目にふれることもあるのでそうもいきません。
できることなら、肌を痛めない方法で処理をしたいものです。
自分でおこなう方法としては、剃る方法と抜く方法がありますが、それぞれ一長一短があるものの、毛を抜く方がすっきりはしますが、皮膚にとっては大きなダメージを与えてしまいます。
なぜなら、成長期の毛を無理に抜くことは、生きた細胞を引き抜くことになるからです。
見た目は変化がなくても、毛穴の内部では出血しており、そこから細菌が入る場合があります。
自分でおこなう抜毛後のトラブルについて
毛穴が膿んだり炎症を起こすことがありますが、そのままにしておくと、その後がシミとして残ってしまうことがあります。
また、埋没毛といって、毛穴の傷が治るときに毛穴がふさがり、次に生えてきた毛が毛穴から出られずに、もぐった状態のままになってしまいます。
そのまま放置すると、化膿することがあるので、知識として知っておきましょう。
抜毛をくり返しておこなうと、毛穴が目立って醜くなってしまいます。
自分で毛を抜くときによく使うのが、毛抜き、ワックス、テープ、除毛クリームやムース家庭用脱毛器、などでしょうが、方法によっては肌に刺激を与えてしまいます。
安全カミソリで処理する方が毛を抜くよりは肌を痛めないと言われていますが、どうしてもスッキリさせたいために、自己流の抜毛をおこなってしまう傾向にあるようです。
抜毛の対象となる部分はデリケートな部分が多いため、自己処理の仕方によっては思っている以上のダメージを、積み重ねていくことになってしまいます。
抜毛と脱毛
一般的に毛を抜くことを抜毛、生えてこなくすることを脱毛といいます。
本格的に永久脱毛をするには、皮膚科クリニックでレーザー治療を受ける必要があります。
主に、エステサロンでおこなわれるフラッシュ脱毛には永久性はなく、脱毛といった表現ではなく「制毛」と言っています。
脱毛を永久脱毛と思っている人も多いようですが、エステサロンでおこなっている光脱毛は、肌へのダメージが少なく、ムダ毛が生えてくるのを抑え、量を少なくする方法です。
ほとんどのエステサロンは施術前にカウンセリングをおこなうので、疑問点をクリアにしておくことが大事です。
エステサロンと脱毛サロンはどう違うの?
エステサロンはフェイシャルやダイエット、脱毛などを総合的におこない、脱毛サロンは脱毛を専門におこないます。
サロンという名がつくところのほとんどは、永久脱毛はおこなっていないので、どちらも同じ光脱毛が中心のようです。
その他にもニードル脱毛という方法をとっている総合エステサロンや脱毛サロンもありますが、こちらの脱毛方法は、永久脱毛に近いというものの個人差はありますが痛いという難点と、脱毛が完了するまで時間がかかます。
いずれにしても、納得いくまでカウンセリングを受けて、信頼できるサロンを選ぶことが大切です。
まとめ
年齢を問わず、年々美容に対する意識が高くなる中で、脱毛は注目を浴びている分野の一つです。まずは体毛について知り、自分に合った処理を検討し、肌に対するダメージを減らしましょう。
また、睡眠不足や運動不足、ストレス過剰になっても、ホルモンバランスが崩れて体毛が濃くなってしまうことがあるので、生活習慣を見直すことも必要です。